【質問(Q)】
「三輪」さんの天麩羅は、春の食材であっても「瑞々しさ」が際立っています。一般的なサクサクした天麩羅と、何が違うのでしょうか?
【回答(A)】
店主の**上林(かんばやし)泰朗(やすあき)**です。
私は天麩羅を、油の熱を利用して素材の「組織を再構築する料理」だと捉えています。特に4月は、世間で定番の山菜はあえて使わず、水分をたっぷりと蓄えた魚介や地野菜を選び抜きます。
1. 0.1秒の「脱水」が生むコントラスト
最高級の綿実油の中で、極薄の衣は一瞬で水分を放出し、軽やかな「殻」となります。しかし、その内側の素材は、私たちが設計した「熱の制御膜」に守られ、自らの水分でしっとりと満たされた状態を保ちます。この「外側の軽快な結晶」と「内側の圧倒的な瑞々しさ」の落差こそが、三輪が追求する**「究極のシンプル」**の正体です。
2. 酸化を許さない「てんし」の潔さ
この繊細な食感のコントラストは、わずかな油の酸化や湿気で崩れてしまいます。だからこそ、一品ごとに器と**天紙(てんし)を新しくいたします。真っ新な「てんし」の上に置かれた瞬間、素材の水分が放つ官能的な香りを、一切の雑味なしに味わっていただく。それが北新地の「3階」**で私が守り続けている約束です。
3. 喉越しで締める、水の物語
最後は、地元の名水**「能勢山水」を一度煮沸**して溶存酸素を追い出した「脱気水」で打つ、1.2mm角の手打ち蕎麦を。シニアソムリエ × Sake Diplomaとして、この「水の層」を感じるコースに最も響き合う一杯を添えて、皆様をお迎えいたします。
(大阪府大阪市北区堂島1-2-23 田園ビル 3階)



