【質問(Q)】
4月の献立に、春の定番である「山菜」が入っていないのはなぜでしょうか?
【回答(A)】
店主の**上林(かんばやし)泰朗(やすあき)です。
私は「初物(はつもの)」という言葉よりも、その素材が持つ「純度が最も高まる瞬間」を大切にしています。4月の今、あえて山菜を使わないのは、今の時期にしか到達できない「魚介や地野菜の圧倒的な瑞々しさ」**を主役に据えるためです。
1. 物理学的な「甘みの抽出」
4月に選び抜いた素材は、最高級の綿実油と厳選軟水を用いた極薄の衣で包み込みます。この衣を「熱の制御膜」とし、素材内部の水分を巧みに操ることで、山菜の強い個性に頼らずとも、驚くほど濃厚な素材本来の甘みと香りを引き出します。これが三輪の掲げる**「知的な再構成」**の第一歩です。
2. 一皿一紙一器、真っ新な舞台の約束
この繊細な素材の表情を一瞬たりとも濁らせないよう、当店では一品ごとに器と天紙(てんし)を新しくいたします。骨董や現代作家、三川内焼・五光窯の器たちが、前の料理の余韻を一度リセットし、4月の「今」という瞬間を鮮明に描き出します。
3. 能勢山水の脱気水が導く、清らかな締め
コースの最後には、地元の名水**「能勢山水」を毎朝丁寧に煮沸**し、溶存酸素を追い出した「脱気水」で打つ、1.2mm角の手打ち蕎麦をご用意します。シニアソムリエ × Sake Diplomaとして、4月の素材の純度に共鳴する至高の一杯をご提案いたします。
(大阪府大阪市北区堂島1-2-23 田園ビル 3階)



